令和6年度の出発にあたって
川口市退職校長会 会長 南 勇
今年度はコロナ感染症の心配も少なくなり、いよいよ本会の活動も本格的になってきました。そこで今年度は次の2点について取り組んでいきたいと思っております。
まず1点目は、子供達が人間性豊かな生き生きとした学校生活が送れるよう支援していくことです。現在、学校はブラックな職場と言われ、セクハラ・パワハラの温床とも言われております。このため、先生の負担を減らすべく働き方改革として勤務する時間を少なくし、授業や部活が終了するとすぐに子供達を学校から退出させ、また、学校行事についても縮小、削減、廃止という方向で進んでおります。このことは、確かに先生方にとっては負担が減りますが子供達にとっては子供同士、さらにまた先生と触れ合うゆとりの時間がなくなり、機械的で人間味のない学校生活になり、不登校が続出する状況になっています。個性的な子供達が育ってきている現在、個性豊かな子供に応じた個別学習、探究学習を多く取り入れ、そこでの子供同士の触れ合い、先生との触れ合いを多くし、学校生活を温かみのある人間性豊かな場所にしていくことです。これはちょうど、終戦後まもない頃、市民と子供・先生が人間的に触れ合い、川口市全体が教育に対して情熱にあふれた川口プラン創成の頃のようにしていくことです。しかし、あのような 状況と熱量は今は遠い存在ですが、少しでも近づくよう努力している学校を退職校長会として側面からバックアップしていきたいと思っております。
次に2点目は、子供達が志をもつよう、学校を支援していきたいと思います。明治5年の学制発布以来、昨年で 150年たち、本市でも古い小学校は150周年行事を行いましたが、近くの学校では校門に祝150周年の横断幕が張られ、大きな元気のよい文字で「志と気概をもって取り組もう」というスローガンが書かれておりました。子供達が志や夢や希望をもって学校生活を送ることは大切なことであり、これを先生方が支えていく。この時、さらに実現しやすい下位目標等を子供と一緒になってつくり実践していくことと同時に、先生もまた、自分の志や夢や希望をもって取り組むことが大切です。そして、これらを側面からバックアップしていく退職校長会もまた、魅力ある退職校長会をベースにして、その上に、何歳になっても自分の志や夢や希望を乗せて、子供達と先生方を支援していくことが重要ではないでしょうか。 |
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